補助光(ライティング)
光と影の使い方
☆ ドール撮影の補助光(ライティング)について
A、私のドールの性格上、昼の野外撮影の機会が非常に多く、
メイン光は太陽光。補助光も良く使います。B、解説は一眼レフカメラに基づいています(しかもフィルム)
☆ 補助光の考え方
1、シャドー部の起こしや、陰影をつけるため。
2、正確な色、または特殊な色に変換する
3、ハイライト入れ(肩や髪の輪郭出しのための光)
4、キャッチライト入れ(目の中に入れる光)
(1) シャドー部の起こし
逆光で正面に光が回っていない状況では、正面が潰れ 気味になり、正確な色も出にくくなります。
斜光では陰影がつき、顔に影が出やすくなります。
あえて陰影をつけるために使うこともありますが、女性の顔は陰影をつけないほうが 好まれます。
順光でもトップライト気味ですと、顔に変な影がでます。(2) 正確な色、または特殊な色に変換する
逆光、夕方、蛍光灯、タングステン光などがメイン光の 場合、正確な色が出にくくなります。
あえてそのように 表現するために、色のついた補助光を使うことも。(3) ハイライト入れ(肩や髪の輪郭出しのための光)
自分は逆光撮影が多いので、この光は太陽で入れていますが、補助光で入れることもあります。(4) キャッチライト入れ(目の中に入れる光)
目に光が入っていると表情が生き生きします。
自分は逆光撮影が多いので、レフかストロボで入れています。
アニメテックアイのような、ペイントで光が書き込んである眼はこの限りではありません。
☆ 補助光の種類
光源 太陽(各質あり)、月、ストロボ(各種あり)、タングステン光、蛍光灯、ロウソク他
反射光源 上記の光を反射させたもの
レフ板、アンブレラ、鏡、ガラス、テーブル、天井、水・雪・地面他↑を和らげる 雲、霧、湿度、トレペ、ビニール
☆ 私が良く使う組み合わせの順位っす
1、太陽光 + レフ板(銀、金、白) 効果が確認しやすく自然な感じ
2、太陽光 + ストロボ直接(クリップオン) 手軽にキャッチライト入れ
3、太陽光 + 外部ストロボ + ストロボレフバン 正確に色出ししたいとき
4、太陽光 + 外部ストロボ傘バン 室内。窓際などストロボは露出計は使わず、オート-2EV前後で使用。
< 自然光(半逆光) + ストロボ正面 >
キヤノンEOS5QD EF85ミリ F1.8 USM コダクローム 絞りf2.8 1/125秒 NDフィルター
正面からダイレクトで一発飛ばし。
ダイレクトでの正面飛ばしは、きつい影、陰影が無いのっぺり光などの理由で嫌われますが、発光を-2EVに抑えて日中シンクロさせているので、そんなには気にならないかな?
髪と肩のハイライトは太陽光、目のキャッチライトと正面の起こしはストロボ。
このカメラはストロボ同調速度が200分の1以下なので、背景をぼかすために絞りを開けたかったのでNDフィルターで入光量を抑えました。
f1.8〜4.0の何通りかで写し、結果的にf2.8の背景ボケがいい感じでした。
< 自然光(夕方の逆光) + 丸レフ2枚(金・銀) >
キヤノンEOS5QD EF50ミリ F1.2L USM DNPセンチュリア400 絞りf4.0 1/60秒
夕方のイメージのため正確な色表現は必要なく、夕陽の赤を強調するために銀レフに加え、金レフも使用。
キャッチライトが入り、カーディガンの質感も出て、イメージ通りの仕上がりに(笑)
ストロボを使うなら、要ディフューズです。
< 自然光(夕方の逆光) + 外部ストロボ・ディフューズ >
キヤノンEOS5QD EF28ミリ F1.8 USM DNPセンチュリア100 絞りf4.0 ストロボ-2EV
上と写真とこの写真、どちらがいいという訳ではなく、ストロボとレフで全く見た目が異なってきます。この写真は最近のグラビア風ですか?私は上のゆるい系が好みだったりします (笑)
< 自然光(6月・夕方の逆光) + 丸レフ2枚(白・銀) >
キヤノンEOS5QD EF35-105ミリ F3.5-4.5 USM
DNPセンチュリア100 28ミリ相当 絞りf5.6 1/500秒
晴れている6月の強烈な逆光の日差し。レフ板2枚でシャドー部分を起こしました。
セオリーは白レフで、更に日陰で、となるのでしょうが、部活を表現するためにあえてギラギラ気味に。
太陽光の質を考えれば、正面からのストロボ一発飛ばしでもバランス的に問題はないはずです。
あなたのドールの性格、衣装がギラギラ光に合わない設定なら太陽光をトレペで和らげれば桶です。しかしここの背景にこだわりがなければ素直に日陰か室内に避難て感じで。
< 自然光(擬似逆光) + 外部ストロボ傘バン >
キヤノンEOS5QD EF50ミリ F1.2L USM DNPセンチュリア100 絞りf4.0 1/60秒
窓バックなので逆光状態です。露出を風景に合わせると被写体が潰れます。被写体に合わせると風景が飛びます。
よって、補助光で被写体を起こし窓の外と明るさを同調させる必要があります。
表現により、わざと風景を飛ばす、被写体をシルエットにするという撮り方もあります。
前方45°左上方45°から後方の傘に反射させ発射。デフューズと同じく光が柔らかくなります。
傘に反射した光が、どのように被写体に当っているか。フィルムカメラでは現像するまでわかりませんが、モデリングライト内蔵のストロボを使えば、擬似的に点灯させるライトが出ますので、おおよそどんな感じで影が出ているか確認できます。
自分はもっていないので、傘の向きを変えて数枚写しています。
< 自然光(曇りの逆光) + 外部ストロボ・ディフューズ + 角レフバン(銀) >
キヤノンEOS5QD EF50ミリ F1.2L USM DNPセンチュリア100 絞りf2.8 1/200秒
バイエルン民族衣装の華やかさを出したかったので、ストロボを使用。ストロボは正確な色を出す温度を持つ光です。
この作例は、ちょっと大掛かりで、右上の前方45°からストロボを発射し被写体右側を起こし、さらに左上方に中型角レフをセット。ストロボ光を反射し被写体左側を起こすと同時に右からの影を消しています。帽子と肩の輪郭出しは太陽光です。曇りということもあり、雲によるディフューズが良い方向に和らげています。
あくまでも太陽光メインのため、ストロボはいつもと同じ-2EVとし、軽く当てる感じにしています。
さらに太陽光とのバランスを計るため、ストロボにはコンビニの白い袋を2枚被せ(爆)、光を柔らかくしています。ストロボをトレペで遮る方法(ストロボ前方40cm位に1m×1m位のトレペを設置)もありますが、三脚かアシスタントが必要になり、野外撮影ではメンドイです。
参考までに上の写真のライティング図解です(爆)
1=被写体 ミチル(笑)
2=カメラ フルサイズ50mmレンズで、この時は被写体まで60cmくらい
3=太陽 曇りの逆光でディフューズ状態
4=ストロボと三脚 被写体まで2m 白い袋を被せディフューズ -2EVに減光 28ミリ画角に調整
5=角レフ 被写体まで1m ストロボを拾い被写体へ。 60cm×80cmの角板に銀紙で自作
つーことで、殆ど自己満足のような話でしたが、お宅のドール撮影の参考になればなによりです。